ウィリアムズ症候群の子どもを二人持つ珍しい家族における両親の逆位の変異に関する知見



Observation of a parental inversion variant in a rare Williams-Beuren syndrome family with two affected children.

Scherer SW, Gripp KW, Lucena J, Nicholson L, Bonnefont JP, Perez-Jurado LA, Osborne LR.
Genetics and Genomic Biology Program, Sick Kids Hospital, Toronto, ON, Canada, M5G 1X8.
Hum Genet. 2005 Jun 3; [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群領域7q11.23は何種類かの遺伝子の再構成に起因影響を受ける。その原因のひとつがWBCint-1変異という逆位多型である。WBCint-1染色体はウィリアムズ症候群の子どもを持つ両親で頻繁に認められることから、ウィリアムズ症候群欠失領域の素因になる可能性が示唆されている。我々は複数のウィリアムズ症候群の子どもをもつ家族の調査を行った。そのうちの1家族では、ふたりの子ども両方とも染色体間組換が原因で発生したWBCint-1を有する染色体上で欠失が発生した。この結果は、この家族に二人のウィリアムズ症候群欠失がそれぞれ独立の事象であることを示唆している。さらにWBCint-1染色体上にあることでウィリアムズ症候群領域において欠失が発生するリスクが有意に高まる可能性がある。ウィリアムズ症候群の子どもを複数持つ家族の数が非常に少ないことはウィリアムズ症候群の子どもを持つ全体的リスクが依然として小さいことを示唆している。しかし、すでにウィリアムズ症候群の家族がいる場合は、WBSinv-1検査および遺伝カウンセリングを受けることが必要かもしれない。

(2005年6月)



目次に戻る