循環器系障害を持つ患者のエラスチン遺伝子の突然変異スクリーニング



Elastin Mutation Screening in a Group of Patients Affected by Vascular Abnormalities.

Rodriguez-Revenga L, Badenas C, Carrio A, Mila M.
Genetics Service, Centre de Diagnostic Biomedic, Hospital Clinic, C/Villarroel 170, 08036 , Barcelona, Spain.
Pediatr Cardiol. 2005 Jul 4; [Epub ahead of print]

大動脈弁上狭窄は珍しいが特徴がはっきりした左心室の拍出障害を伴う先天的形態である。この病変は上行大動脈を含み、肺動脈狭窄やその他の動脈の特に大きな血管の分岐部位の狭窄を伴うことが多い。発生は孤発的であり、常染色体優性遺伝形態やウィリアムズ症候群の一症状となる。実際のところ、大動脈弁上狭窄の臨床的及び構造的特徴は症候性の症例でも非症候性のそれでもまったく同じである。大動脈弁上狭窄の重症度は変化に富んでいる。しかし、治療を受けないと、心不全・心筋梗塞・突然死の危険性がある。ウィリアムズ症候群患者の大動脈弁上狭窄は染色体7q11.23部位のエラスチン遺伝子の片方のコピーが完全に欠失したことが原因である。しかし、単独の大動脈弁上狭窄症を引き起こす遺伝子的な原因は、翻訳・遺伝子内欠失・イラスチン遺伝子をかき乱す点突然変異などであると特定されている。我々は大動脈弁上狭窄およびその他の循環器異常を持つ28人の患者からエラスチン遺伝子の突然変異スクリーニング結果を得た。スクリーニングの目的はこの病変の分子的原因を特徴付けることである。9種類の遺伝子多型と2種類の新しいミスセンス突然変異を含む11種類の変異を発見した。

(2005年7月)



目次に戻る