ヒトのウィリアムズ症候群染色体領域7q11.23のゲノム構造を形作る進化メカニズム



Evolutionary mechanisms shaping the genomic structure of the Williams-Beuren syndrome chromosomal region at human 7q11.23

Anna Antonell1, Oscar de Luis1,3, Xavier Domingo-Roura1,2 and Luis Alberto Perez-Jurado1
1 Unitat de Genetica, Departament de Ciencies Experimentals i de la Salut, Universitat Pompeu Fabra, 08003 Barcelona, Spain;
2 Genetica de la Conservacio, Institut de Recerca i Tecnologia Agroalimentaries, 08348 Cabrils, Barcelona, Spain
3 Present address: Departamento de Ciencias de la Salud III, Universidad Rey Juan Carlos, Avda. Atenas s/n, 28922 Alcorc?n, Madrid, Spain.
Genome Research 15:1179-1188, 2005 , ISSN 1088-9051

ヒトゲノムのおよそ5%は領域の複製や小規模リピート構造から構成されていて、この部分は高度に相同性を示す(95%)配列からなる巨大な断片である。これらの複製断片が出現したのはおよそ35百万年前のヒトの進化過程の間だと推定され、染色体の組み換えに関連している。ウィリアムズ症候群は分節欠乏症候群(a segmental aneusomy syndrome)であり、多くはヒト染色体の7q11.23領域の新規欠失によって引き起こされる。この領域は複数の異なる複製領域複合体によって媒介されている。我々はヒト染色体の7q11.23領域の複製領域の構造を詳細に調査し、コピー回数や(マカク猿、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー)等の霊長類との相同分子種領域の構造などによって特徴つけた。我々の得たデータは7q11.23領域の複製領域の最も新しい由来や急激に進化したことを示している。この時期はホミノイド(12〜16百万年前)の多様化が始まり、その後、これらの種のゲノム間の主な差異につながる種独特な複製や染色体間の組み換えが始まった。アルー配列(Alu sequences)はホミノイド特有の複製領域のほとんどの端部に位置しているが、このことは進化につながる組み換えを促進している可能性がある。ある世代に対する非対立形質相同組み換え(nonallelic homologous recombination)や複製領域の局所的拡張などによるアルー配列媒介型複製転移を基礎とした機構的モデルを提案する。この領域に見られる異常に高い進化回転率、や複製領域が多いことはホミノイド種に見られる重要なゲノム変動につながり、機能的関連や病気のなりやすさに関係している。

(2005年9月)



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