ヒトとマウスの頭蓋顔面発達におけるGTF2IRD1
TF2IRD1 in craniofacial development of humans and mice.
Tassabehji M, Hammond P, Karmiloff-Smith A, Thompson P, Thorgeirsson SS, Durkin ME, Popescu NC, Hutton T, Metcalfe K, Rucka A, Stewart H, Read AP, Maconochie M, Donnai D.
Academic Unit of Medical Genetics, University of Manchester, St. Mary's Hospital, Manchester M13 9PL, UK. m.tassabehji@manchester.ac.uk
Science. 2005 Nov 18;310(5751):1184-7. Epub 2005 Nov 3.
頭蓋顔面異常はヒトの先天異常全体の3分の1を占めるが、頭蓋顔面発達をつかさどる遺伝子的メカニズムに関する我々の理解は不完全である。我々はGTF2IRD1が哺乳類の頭蓋顔面および認知面の発達に関係する決定的な要素であることを示し、TFII-I転写因子ファミリーの別の一員であるGTF2Iも両面に関わっていると考えている。Gtf2ird1欠損マウスはヒトに起こる微小欠失病であるウィリアムズ症候群を暗示あうる表現型の異常を呈する。頭蓋顔面のイメージは下流にあるターゲットのGtf2ird1に対する頭部オーガナイザー特異的ホメオボックス遺伝(goosecoid)の制御異常によって引き起こされると考えられる頭蓋骨やあごの異常を呈する。ヒトにおいてはGTF2IRD1を含む非典型的な欠失範囲をもつ希少病ウィリアムズ症候群の患者は典型的なウィリアムズ症候群の症例とは異なる顔貌異形症と認知障害を呈している。我々は複製されたり分散されたりしている遺伝子の累積的量効果のメカニズムがヒトの他の病気に適用可能であることを提案する。
(2005年12月)
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