ウィリアムズ症候群におけるNCF1遺伝子の半接合性は患者の高血圧リスクを軽減している



Hemizygosity at the NCF1 Gene in Patients with Williams-Beuren Syndrome Decreases Their Risk of Hypertension.

Del Campo M, Antonell A, Magano LF, Munoz FJ, Flores R, Bayes M, Perez Jurado LA.
Unitat de Genetica, Department de Ciencies Experimentals i de la Salut, Universitat Pompeu Fabra, Dr. Aiguader 80, 08003 Barcelona, Spain. luis.perez@upf.edu.

Am J Hum Genet. 2006 Apr;78(4):533-42. Epub 2006 Jan 31.

ウィリアムズ症候群は7q11.23領域の異型欠失を原因であり、世界的な死亡率の最も大きなリスク要因である高血圧を研究に関して遺伝子に起因する疾病のモデルとなっている。エラスチン遺伝子領域におけるハプロ不全がウィリアムズ症候群においては血管狭窄につながりことが知られており、患者の〜50%にみられる高血圧になりやすいと考えられている。ウィリアムズ症候群の患者96人について臨床的および分子遺伝学的な検査を行い、両者の相関を探索した。欠失が発生している切断位置を正確に特定した結果、NCF1とGTF2IRD2という2つの遺伝子については変動が認められた。活性酸素産生酵素(NADPHオキシダーゼ)のp47(phox)サブユニットをコードするNCF1という遺伝子が欠失しているウィリアムズ症候群患者において高血圧の発生率が有意に低い(P=.02)。 p47(phox)たんぱく質レベルの減少、スーパーオキシドアニオン生産の低下、たんぱく質のニトロチロシン化(protein nitrotyrosination)の低下の3種類が、NCF1半接合患者由来の培養細胞株において観察された。この結果から、NCF1遺伝子機能のコピーが一つ失われることで、一部のウィリアムズ症候群の患者は高血圧から守られている可能性が示された。おそらく、アンジオテンシンUが介在する酸化ストレスを一生にわたって軽減することがその原因の可能性がある。つまり、活性酸素産生酵素の活動を低下させる抗酸化療法は、高血圧に関係する重篤な合併症が報告されている同定可能なウィリアムズ症候群患者や、同じような病因メカニズムによって引き起こされる本質的な高血圧の形態をもつ患者に利益をもたらす可能性がある。


訳者注:
(2006年3月)



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