7q11.23, 15q11-q13 と 22q11を含む微小欠失や重複症候群の両親起源及び染色体起源



Parental and chromosomal origins of microdeletion and duplication syndromes involving 7q11.23, 15q11-q13 and 22q11.

Thomas NS, Durkie M, Potts G, Sandford R, Van Zyl B, Youings S, Dennis NR,Jacobs PA
[1] 1Wessex Regional Genetics Laboratory, Salisbury District Hospital,Salisbury, UK
[2] 2Division of Human Genetics, University of Southampton, Southampton, UK.
Eur J Hum Genet. 2006 Apr 12; [Epub ahead of print]

染色体固有のLCR(低コピー反復要素:low copy repeat)間で発生する非対立形質相同となる組換えは、反復性の微小欠失や重複につながる最も共通的なメカニズムである。遺伝子座毎の相違を探すために、新規に発生した染色体の欠失(7q11.23:ウィリアムズ症候群、15q11-q13:アンジェルマン症候群とプラダー・ウィリー症候群、22q11:ディ・ジョージ症候群)と15q11-q13の重複をもつ一連の患者に対して、マイクロサテライトを利用して両親起源及び染色体起源を確定した。全体的にみて、組換えの大部分は染色体間で行われていて減数分裂時の不等交差によって発生している。また、欠失の起源は父母ほぼ半々であった。15q11-q13における重複も欠失も同じメカニズムで発生した染色体の相互生成物である。染色体間の交差に起因する発生率は欠失の種類によって異なっており、22q11が最大で15q11-q13が最小だった。しかし、両親起源と染色体起源は必ずしも常に独立してはない。15q11-q13においては、母親由来の欠失は染色体間であるが、父親由来の欠失は染色体内である傾向がある。また、22q11においては、染色体内による欠失の場合、母親由来のほうが多い可能性がある。反復性の組換えの形成にはいくつかの要因が関わっており、これらの相対的な重要性は遺伝子座毎に固有であると思われる

(2006年4月)



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