染色体組換において非再発性家族性転移ポイントt(7;9)(q11.23;p24.3)がウィリアムズ症候群領域に与える再発性関与の特徴
Characterisation of a non-recurrent familial translocation t(7;9)(q11.23;p24.3) points to a recurrent involvement of the Williams-Beuren syndrome region in chromosomal rearrangements.
Portera G, Venturin M, Patrizi A, Martinoli E, Riva P, Dalpra L.
Department of Biology and Genetics, Medical Faculty, University of Milan, Milan, Italy.
J Hum Genet. 2006;51(1):68-75. Epub 2005 Dec 3. ]
再発性および非再発性の染色体組換は、少なくとも染色体の片側の領域に組換えを誘導するモティーフが存在することによるDNA組換への感受性を反映しているように思える。ATを豊富に含む繰り返しや脆弱な部位やAlu配列のような特定の遺伝子モティーフが再発性の転移部分でよく発見されているが、非再発性の染色体組換えを引き起こす分子的メカニズムは大部分が未知のままである。本稿では、母親から平衡転移を受け継ぎ、健康な男児と流産した男児のふたりに同じ転移を受け渡した健康な女性において、非再発性の転移領域のブレークポイントをt(7;9)(q11.23;p24.3)と同定した。最初にBACクローンを用い、次に小さな遺伝子座特異的プローブによって行った2段階のFISH検査によってブレークポイントの範囲を8〜10Kbまで絞り込んだ。特定のAlu配列を含み、7q11.23に存在して低反復ブロックAcに隣接する両領域は転移を誘発している可能性がある。この転移は被再発性ではあるが、7q11.23が異なる染色体の組換えにたびたび含まれていることから、7q11.23遺伝子構造は組換え事象に関与しやすい傾向があるという仮説を支持している。
(2006年6月)
目次に戻る