ウイリアムス症候群における脳卒中

心臓や肺だけではなく、脳内の血管についても気をつけておく必要がありそうです。 日本のウイリアムス症候群の子供でも、心臓のカテーテル検査の時に、腎動脈と脳の血管 の検査(もやもや病などの検査が目的)を合わせて行なった事例があるようです。
(1997年9月)

−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−

Stroke in Williams Syndrome

Jan B. Wollack, Marie Kaifer, Marian P. LaMonte, Michael Rothman
Department of Pediatrics, University of Maryland School of Medicine (Baltimore)
Stroke Vol 27, No 1 January 1996, page 143-146


背景
ウィリアムス症候群は、心疾患、動脈狭窄、高血圧を特徴とする遺伝子病である。 これらの特徴にもかかわらず、脳血管障害はごく最近、脳血管狭窄と関連して述べられて きたに過ぎなかった。
症例紹介
19才のウィリアムス症候群の少女は、急性半側不全麻痺になった。MRIでは内包 (脳内の神経繊維群)と被殻(レンズ核の外側)を含む梗塞が見られた。 血管造影では、 狭窄部分は認めらなかった。
結論
脳血管狭窄がなくても、ウィリアムス症候群には脳卒中が起こる可能性があると考 えるべきだろう。この症例と、すでに報告された症例 (Stroke.1996;27:143-146) とを比較 すると、脳卒中の危険性の一因となりうるウィリアムス症候群の特徴の多様性がはっきり する。

目次に戻る