カプトプリル負荷DTPAシンチグラフィにより腎血管性高血圧と診断したWilliams症候群の1例



金原有里, 牛嶌克実, 上村治
あいち小児保健医療総合セ 腎臓科
日本小児腎不全学会雑誌 ISSN:1341-5875 Vol.26, Page166-168 (2006.08.31)

今回,カプトプリル負荷DTPAシンチグラフィ(CRS)にて腎血管性高血圧と診断した1例を経験したので報告する。症例:14歳,男児。主訴:高血圧。カプトプリル負荷後GFRの低下,負荷前正常パターンであったレノグラムが負荷後機能低下パターンとなったことより本症例の高血圧の原因を腎血管性高血圧と診断した。3DCT,腎動脈造影にて右腎動脈起始部の狭窄を認めた。これらの結果より,本症例は右腎動脈起始部の狭窄後責任病変と考えられた。CRSは非侵襲的で,腎血管性高血圧の診断の特異度,敏感度ともに高くスクリーニング検査に適していると考えられた。また,Williams症候群では腎動脈狭窄を合併することが多いため,高血圧を認める症例ではスクリーニング検査としてCRSが有用であると思われる。

(2008年12月)



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