ウィリアムズ症候群の子どもにおけるセンター共同体の循環器系カテーテルと手術の成果



Cardiac Catheterization and Operative Outcomes from a Multicenter Consortium for Children with Williams Syndrome.

Pham PP, Moller JH, Hills C, Larson V, Pyles L.
Swedish Medical Center, 1101 Madison, Suite 800, Seattle, WA, 98104, USA.
Pediatr Cardiol. 2008 Dec 4. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は様々な循環器異常を含む多面的な疾患である。発症率が低いために循環器系カテーテルや手術の成果情報は少ない。小児循環器ケア共同体(the Pediatric Cardiac Care Consortium (PCCC))から得られたウィリアムズ症候群患者242人のデータをレビューし、循環器系病変の合併状況、発生頻度、死亡リスクへの影響などを調査した。1984年から1999年の間、PCCCにおいて6万2千人の患者に対して、およそ10万例の循環器手術が行われた。ウィリアムズ症候群の診断は各サイトにおいて臨床的に実施された。大部分の患者は7q11.23領域を標的としたプローブによるFISH検査を利用して診断された。マイクロソフト社のエクセルというスプレッドシート機能を利用して、選択された患者の様々な循環器異常タイプの分析を行った。ウィリアムズ症候群患者における最も多い循環器系病変と死亡率を調査した。完全な循環器系病変の一覧表を作成した。PCCCに対して292例のカテーテルと143例の手術例が報告されている。106人の患者がカテーテルと手術の両方を受けた。3種類の主な循環器系疾患は大動脈弁上狭窄症(SVAS、169)、肺動脈狭窄症(PAS、130)と大動脈弓の縮窄あるいは形成不全(Arch、32)である。105人の患者は病変が一箇所であり、SVASが70人、PASが29人、Archが6人である。92人は病変が2箇所以上あり、SVASとPASの合併が80人、PASとArchが7人、SVASとArchが5人である。70人の患者はSVASだけ、29人はPASだけ、6人はArchだけであった。合計15人が死亡した。死亡率はSVASとPASを合併するグループが最も高く(手術7例、カテーテル5例。80人注で計12例(15%);P=0.0001、chi(2))。結論として、我々は循環器系のカテーテルと手術を受けたウィリアムズ症候群患者の最もサンプル数が多いデータを集めた。このデータから、ウィリアムズ症候群の子どもで両側性流出路に病変がある場合、統計的かつ診療的に見てカテーテルや手術において死亡リスクが有意に高いことを示唆している。

(2008年12月)



目次に戻る