Williams症候群に対する広範囲パッチ形成術の遠隔成績
杉本晃一1、高原善治1、茂木健司1、櫻井 学1、青木哉志1、松尾浩三2
1)船橋市立医療センター 心臓血管外科
2)千葉県循環器病センター 心臓血管外科
第148回日本胸部外科学会 関東甲信越地方会要旨集 7ページ
2008年12月20日
症例は初回手術時 5 歳Williams症候群の男児。上行大動脈基部から腕頭・左総頸動脈に至る圧較差74mmHgの大動脈狭窄を認めた。手術は循環停止下trimingしたHemashield graftにより上行大動脈・腕頭動脈および左総頸動脈前面を広範囲パッチ拡大した。17歳時MRに対してMVR施行。その際の術前検査・術中所見では、パッチ拡大した大動脈は、狭窄や瘤拡大を伴わずほぼ正常な形態性状を認め、遠隔期の本法の有用性が証明された。
(2009年2月)
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(2010年10月)
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ウィリアムズ症候群の広汎性狭窄に対する大規模人工パッチ大動脈修復術の長期予後
Long-term outcome of large artificial patch aortic repair for diffuse stenosis in Williams syndrome.
杉本 晃一, 高原善治, 茂木健司, 桜井 学, 青木哉志.
船橋市立医療センター心臓血管外科, 〒273-8588 千葉県船橋市金杉1丁目21番1号, ksughimoto@yahoo.co.jp.
Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2010 Oct;58(10):528-30. Epub 2010 Oct 13.
ウィリアムズ症候群患者に対して大規模な人工パッチを用いた外科手術の長期経過後の成績に関する報告は少ない。あるウィリアムズ症候群患者は広汎性大動脈弁上狭窄症と大動脈の首分枝部の奇形に対してパッチ血管形成術を受けてから12年経過した。同患者は狭窄や動脈瘤を生じることなくよいバランスを保って動脈が成長したことが、僧帽弁交換を行なう2回目の手術の時点で確認された。大規模パッチを利用したこの手術法はウィリアムズ症候群患者の広汎性大動脈弁上狭窄症に対して長期間安全であることが証明された。
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