ウィリアムズ症候群患者150人の長期追跡調査から得られた心血管系徴候に関する新しい発見
New findings concerning cardiovascular manifestations emerging from long-term follow-up of 150 patients with the Williams-Beuren-Beuren syndrome.
Del Pasqua A, Rinelli G, Toscano A, Iacobelli R, Digilio C, Marino B, Saffirio C, Mondillo S, Pasquini L, Sanders SP, de Zorzi A.
Dipartimento di Cardiologia, Universita degli Studi di Siena, Siena, Italy.
Cardiol Young. 2009 Dec;19(6):563-7.
目的:
ウィリアムズ症候群患者の先天性心疾患と全身性高血圧の有病率、タイプ、経過を調査した。
手法と結果:
1981年から2006年の間に診断を受けた全ウィリアムズ症候群患者の診療記録を精査した。患者数は150人で、年齢は7歳から45歳、追跡調査期間は6ヵ月から25年間で平均は6.4年である。心疾患は150人中113人の患者(75%)にみられた。異常はグループの5分の4で典型的であった。大動脈弁上狭窄症は患者113人中73人(64.6%)で、この症状単独の患者は43人。肺動脈狭窄症は113人中51人(45.1%)で単独は18例、一方で大動脈縮窄症と僧帽弁逸脱症はそれぞれ7例(6.2%)でその症状単独のケースは3例だった。非典型的な症状が19人の患者から発見されており、ファロー四徴症が2例、心房中隔欠損症が4例、大動脈弁上と僧帽弁閉鎖不全がそれぞれ1例、大動脈二尖弁が2例、心室中隔欠損症が9例でうち4例が単独であった。全身性高血圧は33人の患者(22%)にみられたが、10例はコントロールできていない。検査目的あるいは治療目的のカテーテル検査は24人の患者に施術されており、26人の患者に対して30回の手術が実施された。患者3人が死亡した。
結論:
心疾患は患者の4分の3にみられた。肺動脈の病変は徐々に快方に向かうが、大動脈弁上狭窄症は進行することが多い。非典型的な心臓奇形、特に心室中隔欠損症が多くみられる。全身性高血圧は5分の1にみられ、心臓の構造的異常がない場合にもあらわれる。短期的な死亡率は低い。
(2009年12月)
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