ウィリアムズ症候群の子どもの動脈高血圧に関する臨床兆候と処置
Clinical features and management of arterial hypertension in children with Williams-Beuren syndrome.
Bouchireb K, Boyer O, Bonnet D, Brunelle F, Decramer S, Landthaler G, Liutkus A, Niaudet P, Salomon R.
Department of Pediatric Nephrology, Centre de Reference des Maladies Renales Hereditaires de l'Enfant et de l'Adulte, Hopital Necker-Enfants Malades, Paris.
Nephrol Dial Transplant. 2009 Oct 8. [Epub ahead of print]
背景:
高血圧はウィリアムズ症候群の子どもに共通してみられる症状である。
手法:
本回顧研究の目的は、ウィリアムズ症候群の子ども全身性高血圧の臨床症状、原因、処置方法を概説することである。それには小児腎臓科や小児循環器科を高血圧で受診しウィリアムズ症候群の確定診断を受けた41人の子どもが含まれる。
結果:
高血圧の診断を受けた平均年齢は4.7歳だった。41人中24人の患者は収縮期血圧が95パーセンタイル値(標準偏差1.645)に比べて+10から+30mmHgの範囲にあり、41人中20人の患者は拡張期血圧が95パーセンタイル値(標準偏差1.645)と>10 mmHgの範囲にあった。39人の患者には自覚症状がなかった。41人中17人の患者に動脈造影を行ったところ、10人(58%)から腎動脈狭窄(RAS)がみつかった。全員が心エコー検査を受けており、4人(9%)に峡部縮窄(isthmic coarctation)がみられた。カルシウム拮抗剤が半分の患者(41人中22人)に投与され、ほとんどのケースで高血圧をコントロールできているようにみえた。腎動脈狭窄に対する介入的治療が5人(3人に血管形成術、2人にバイパス外科手術)に対して行われた。患者1人は高血圧を制御できたが、残る4人は十分な効果がなかった。
結論:
医学処置、主としてカルシウム拮抗剤がほとんどのケースで高血圧を改善できている。腎動脈狭窄に対する加入的治療は推奨できない。
(2009年12月)
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