小児循環器治療コンソーシアム:根拠に基づく臨床決断サポート用のツール



Pediatric cardiac care consortium: an instrument for evidence-based clinical decision support.

Pyles LA, Hills CM, Larson VE, Moller JH.
Department of Pediatrics, University of Minnesota School of Medicine, Duluth, MN, USA, pyles001@umn.edu.
J Cardiovasc Transl Res. 2009 Jun;2(2):219-24. Epub 2009 Mar 12.

小児循環器治療コンソーシアム(Pediatric Cardiac Care Consortium:PCCC)は、先天性循環器疾患を有する乳児・児童・成人を対象とした心臓カテーテル・外科手術・検死解剖などが登録されている。PCCCのデータを利用した例としては、形態学・治療管理・成果面から治療などを評価することが挙げられる。以下の臨床症状に対して評価が加えられた。

(1)膜周囲性心室中隔欠損の閉鎖手術時の手術性心ブロック経験
(2)単純大動脈転移における心房性整流手術から動脈切替手術への移行
(3)左心低形成症候群におけるステージ3緩和経験
(4)ウィリアムズ症候群における循環器系異常のリスクが高い合併の特定

登録された事例を分析することで、循環器センター自身だけではなくグループ全体の治療成績を検討することで治療の質の向上に貢献している。PCCCのデータは稀少先天性循環器疾患や重複疾患における個人的な治療管理にも利用可能である。PCCCの登録データはステージ別の治療や予期せぬ再手術発生などの縦断的症例検討にも利用可能である。この先数年でPCCCは先天性循環器疾患の病因学的探求を促進していく。

(2010年6月)



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