ウィリアムズ症候群小児患者の麻酔下における心臓突然死:症例報告と文献レビュー



Sudden cardiac death under anesthesia in pediatric patient with Williams syndrome: a case report and review of literature.

Gupta P, Tobias JD, Goyal S, Miller MD, Melendez E, Noviski N, De Moor MM, Mehta V.
Division of Pediatric Critical Care, Massachusetts General Hospital, Harvard Medical School, Boston, MA 02114, USA. pgupta3@partners.org
Ann Card Anaesth. 2010 Jan-Apr;13(1):44-8.

ウィリアムズ症候群は発達異常・頭蓋顔面異型複特徴・循環器系異常などを特徴とする複合症候群である。突然死はこの症候群において麻酔・手術・術式などによくみられる合併症である。心臓の解剖学的異常があるためこの症候群の患者は突然死の危険にさらされている。突然かつ急激に悪化することに加えて、蘇生処置への反応が悪いこともこの症候群の患者にみられる重要な特徴である。著者らはウィリアムズ症候群で、甲状腺機能不全症とADHDを併発する5歳の男児の症例を報告した。患者はコントラストを得るCT画像撮像中にアナフィラキシー反応にみまわれた。蘇生処置は不調におわった。ウィリアムズ症候群患者に対する麻酔管理に関するこれまでの報告をレビューし、突然死の可能性や心停止にかかわる術式関連処置を本論文で述べる。著者らはガイドラインに規定された蘇生処置に対するこの症候群患者の不応状態の理由についても言及する。

(2010年9月)



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