肺動脈狭窄は大動脈弁上狭窄症の手術後の芳しくない結果の予測因子である



Pulmonary Stenosis is a Predictor of Unfavorable Outcome After Surgery for Supravalvular Aortic Stenosis.

Kasnar-Samprec J, Horer J, Bierwirth H, Prodan Z, Cleuziou J, Eicken A, Lange R, Schreiber C.
Department of Cardiovascular Surgery, Deutsches Herzzentrum Munchen an der Technischen Universitat Munchen, 80636, Munich, Germany, samprec@dhm.mhn.de.
Pediatr Cardiol. 2012 Mar 22. [Epub ahead of print]

大動脈弁上狭窄症狭窄患者の長期経過観察期間における再手術率や死亡率に、肺動脈狭窄の有無その他の要因が影響を与えるかどうかを評価することを探究した。全ての大動脈弁上狭窄症狭窄患者を手術データベースから特定した。多段階大動脈狭窄や付随的循環器手術の患者は研究対象から除外した。2008年から2010年までの館経過観察(100%)を行った。1974年から2006年の間に26人の患者が大動脈弁上狭窄症の手術を受けた。17人の患者(65%)はウィリアムズ症候群の診断を受け、6人(17%)は大動脈弁上狭窄症の広汎性形態であり、10人(39%)が肺動脈狭窄を併発していた。肺動脈狭窄の外科的あるいはインターベンショナルな施術を受けた患者は、最初の手術時にも経過観察時にもいなかった。肺動脈狭窄はウィリアムズ症候群との間にも(P=0.30)、広汎性大動脈弁上狭窄症との間にも(P=0.13)統計的に有意な相関は存在しない。肺動脈狭窄患者はより若い年齢で手術を受けている(P=0.028)。経過観察期間の中央値は14.6年である。全体の死亡率は11.52%であった。術後にLV機能が重度に低下した患者一人は手術後27日で死亡した。最初の手術から7年から10年後に死亡した症例が2例ある。4人の患者(15%)は最初の手術から4年から19年後に再手術が必用になり、その理由は大動脈弓狭窄、大動脈弁上の再狭窄、狭窄後の大動脈拡張だった。肺動脈狭窄は再手術(P=0.005)あるいは追跡調査終了時点の再手術/死亡のリスクファクター(P=0.003)とみなされる。大動脈弁上狭窄症患者に併発する肺動脈狭窄は、大動脈領域の再手術リスクファクターであり、動脈性疾患の重度指標や芳しくない結果の予測因子となることを示唆している。

(2012年3月)



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