携帯型血圧計で計測した20人のウィリアムズ症候群患者における血圧上昇



Elevated ambulatory blood pressure in 20 subjects with Williams syndrome.

Broder K, Reinhardt E, Ahern J, Lifton R, Tamborlane W, Pober B
Pediatric Service, Massachusetts General Hospital, Boston, USA.
Am J Med Genet 1999 Apr 23;83(5):356-60

前回の研究ではウィリアムズ症候群の患者群における矛盾した高血圧発生率を報告した。 携帯型血圧計(24-hour ambulatory BP monitoring)を用いてウィリアムズ症候群患者の2 4時間血圧を調査した。この方法を用いる事で、患者が日常生活をしている時の日中及び 夜間の血圧測定が確実に実施でき、一時的な血圧測定方法比べて、高血圧発生のリスクに 関して信頼性の高い長期的な予防的診断を行える。20人のウィリアムズ症候群患者と、 年齢と性別を一致させた35人の比較対照群に対して、臨床的にいろいろな角度から調査 が行われた。ウィリアムズ症候群患者は対照群よりも有意に血圧(ambulatory BP)が高い事 が判明した。年齢・性別・体重で調整をした結果、ウィリアムズ症候群の診断を受ける事 は日中および夜間の平均血圧が約10mmHg高い事を意味する。日中平均血圧の上昇として定 義されている高血圧症は、ウィリアムズ症候群の患者では40%で見られるが対照群では 14%しか見られない(P < 0.05)。子供においてはこの差がさらに顕著で、高血圧に分類 される子供は、ウィリアムズ症候群では46%で見られるが対照群では6%しか見られな い(P < 0.01)。さらに、昼間血圧の変動は実証できたが、「white coat」効果や血圧変動の 増大の証拠は見つからなかった。興味深い事に、両親から報告があった幼児性高カルシウ ム血症暦は高血圧と顕著な相関が見られた(P = 0.008)。我々の研究データからは、ウィリ アムズ症候群の子供、成人両方とも平均血圧が高い事、健康な対照群に比べて高血圧の発 生率が高い事がわかる。このように、診察室における高い血圧を見過ごさず、全体的な評 価を行うことが必要である。

(1999年5月)

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