ウィリアムズ症候群とアンジェルマン症候群における末梢性肺動脈狭窄症の外科的再建
Surgical reconstruction of peripheral pulmonary artery stenosis in Williams and Alagille syndromes.
Monge MC, Mainwaring RD, Sheikh AY, Punn R, Reddy VM, Hanley FL.
Division of Pediatric Cardiac Surgery, Lucile Packard Children's Hospital/Stanford University School of Medicine, Stanford, Calif.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2012 Dec 7. pii: S0022-5223(12)01433-X. doi:10.1016/j.jtcvs.2012.09.102. [Epub ahead of print]
目的:
末梢性肺動脈狭窄症は稀少先天性心臓疾患であり、ウィリアムズ症候群とアンジェルマン症候群にしばしば合併する。末梢性肺動脈狭窄症の最適な治療法には議論があり、多くの治療機関はカテーテルを使った処置を好んで使用する。それとは対照的に、我々は末梢性肺動脈狭窄症の外科的再建を優先的に使用する。本研究の目的は末梢性肺動脈狭窄症の外科的再建に関する我々の経験をレビューすることである。
手法:
末梢性肺動脈狭窄症の外科的再建を受けた患者の遡及的レビューを実施した。合計16人の患者が特定された。7人はウィリアムズ症候群、6人がアンジェルマン症候群、3人は症候群が特定されていない。全員が詳細な肺動脈血管造影を受け、狭窄が、主血管、分枝血管、肺葉血管、分節血管のどこに存在するかを特定した。手術前の右心室/左心室間の平均血圧較差比は0.88±0.07だった。 外科的アプローチは人工心肺を使用した正中胸骨切開術を用いた。全ての狭窄は肺動脈同種血管臓器を利用して拡張された。手術時点の年齢中央値は14か月であり、随伴性手術は16人中9人の患者に実施された。
結果:
1件の手術中死亡(6%)があった。手術後の右心室/左心室間の平均血圧較差比は0.40±0.04(P<0.005)に低下し、手術前の値に比べて55%の減少を示している。患者は中央値で5年間の経過観察を受けた。
結論:
末梢性肺動脈狭窄症の治療に対するこの包括的外科治療は、初期致死率が低く後期致死率は0であることをデータが示している。末梢性肺動脈狭窄症に対する外科的再建術は右心室血圧を有意に低下させる。右心室血圧の低下はこの患者コホート集団の長期生存率に有利に働いているという仮説を提唱する。
(2012年12月)
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