先天的大動脈弁上狭窄症に対する拡張大動脈形成術を用いた外科治療の中期的予後
Mid-term outcome after surgical repair of congenital supravalvular aortic stenosis by extended aortoplasty.
Bakhtiary F, Amer M, Etz CD, D?hnert I, Wilhelm Mohr F, Bellinghausen W,Kostelka M
Department of Cardiac Surgery, University of Leipzig, Heart Center, Leipzig, Germany.
Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2013 Jun 21. [Epub ahead of print]
目的:
先天的大動脈弁上狭窄症(SVAS)はウィリアムズ症候群や他のエラスチン遺伝子欠失に合併する希少な動脈疾患である。本論文の目的は大動脈弁上狭窄症に対する拡張大動脈形成術を用いた治療の中期的予後をレビューすることである。
手法:
2001年から2010年にかけて行われた先天的大動脈弁上狭窄症の治療を遡及的にレビューした。予後の記録、再治療や再手術のデータ、最近の心エコー記録が得られた。
結果:
2001年から2010年にかけて、21人の患者(男性15人)が、事前処理された自己心膜を使った拡張大動脈形成術を用いた大動脈弁上狭窄症の外科治療を受けた。この治療法はドッティ法(Doty technique)を改良したものである。平均年齢は3.1±4.2歳であった。患者中14人がウィリアムズ症候群と診断されていた。早期死亡は一例もなかったが、一例が後に死亡した。最新の予後記録(平均予後は4.3±2.9年、範囲は1〜108か月)によれば、心エコーによる大動脈拍出路前後のドップラー勾配の最大値は15±8mmHgであった。患者の大多数は最少から軽度の大動脈弁閉鎖不全を呈している。再治療や再手術は必要ではない。
結論:
拡張大動脈形成術は大動脈弁上狭窄症に対して非常に有効な治療成績を提供するとともに、大動脈基部の形状を理想的な解剖学的設定に形作ることに成功している。手術リスクを高めることなく実施された。中期的予後はすばらしい。
(2013年7月)
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