脳の形成異常と肥大性心筋症を合併したウィリアムズ症候群



Williams-Beuren syndrome with brain malformation and hypertrophic cardiomyopathy.

Okamoto N, 山形 崇倫, 矢田 ゆかり, 市橋 光, Matsumoto N, Momoi MY, Mizuguchi T.
自治医科大学医学部小児科学講座
Brain Dev. 2013 Jul 27. pii: S0387-7604(13)00208-8. doi:10.1016/j.braindev.2013.07.002. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は多臓器に症状が出る遺伝子疾患であり、7q11.23領域の連続した遺伝子の欠失を原因とする。我々は大脳と小脳の形成異常とともに肥大性心筋症を合併した重度のウィリアムズ症候群患者の報告を行う。マイクロアレイを用いた比較ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)を使って検査したところ、7q11.23領域のRP11-614D7からRP11-137E8にかけて欠失が確認され、ウィリアムズ症候群の典型的な欠失であることが判明した。我々が知る限り、本症例は中枢神経系の重度の先天的異常と進行性肥大性心筋症を併せ持つウィリアムズ症候群患者の初めての報告である。ウィリアムズ症候群における欠失した遺伝子と中枢神経系の先天的異常及び肥大性心筋症の関係はさらなる分析が必要である。

(2013年8月)



目次に戻る