僧房弁逆流症に対し手術を行ったWilliams症候群の2症例
泉 佑樹 1)、馬原 啓太郎 1)、佐々木 俊輔 1)、太田 光彦 1)、吉敷 香菜子 2)、朴 仁三 2)、高梨 秀一郎 1)、梅村 純 1)、住吉 徹哉 1)
日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院循環器内科 1)
日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院小児科 2)
日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院心臓血管外科 3)
Japanese journal of medical ultrasonics Vol40 No2(2013) 207ページ
Williams症候群は、特異な顔貌、発達遅滞、心疾患を来す遺伝的症候群である。心疾患では大動脈弁上狭窄症、肺動脈弁上狭窄症、僧房弁逆流症(MR)の合併が多い。当院でWilliams症候群のMRに対し、三次元経食道心エコー(TEE)で評価し手術を行った2例を経験したので報告する。
【症例1】
10歳代女性。重症MRの精査目的に入院。経胸壁心エコー(TEE)では両尖逸脱による重症MRを認め、逆流率67%、逆流口面積0.41p2、明らかな腱索断裂は認めなかったTEEでは僧房弁両尖とも延長し全体的に逸脱を認めBarlow様であり、特に前尖の逸脱が大きかった。僧房弁形成術を行い、前尖に人口腱索を立てた。術後MRはほぼ消失した。
【症例2】
40歳代女性。心不全で入院。TEEでは前尖全体の逸脱による中等度MRを認め、逆流率55%、逆流口面積0.26p2。TEEでは僧房弁後尖の低形成と接合不全による前尖の逸脱を認めた。僧房弁形成術は困難であったため、人工弁置換術を行った。
(2013年12月)
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