大動脈弁上狭窄修復に使用されるブロム(Brom)の3パッチ手法



Brom's three-patch technique for repair of supravalvular aortic stenosis.

Hazekamp MG, Kappetein AP, Schoof PH, Ottenkamp J, Witsenburg M, Huysmans HA, Bogers AJ
J Thorac Cardiovasc Surg 1999 Aug;118(2):252-258

目的:
1962年から現在までに大動脈弁上狭窄修復手術を受けた患者(n=29)の手術履歴を調 査し、手術法とその成果を比較した。3個のパッチ(1洞にひとつ)を使った対称自 己形成術を説明し、他の方法と比較した。
方法:
事例報告が評価され、患者の担当の(小児)心臓医と連絡をとることで術後の追跡が 行われた。1997年12月までの一年間にドップラーエコー検査を含む経過観察を受け た人を対象とした。大動脈弁上狭窄単独の患者が25人、大動脈弓や弓部血管を含む びまん性大動脈弁上狭窄の患者が4人である。その他の病変としては、二尖頭弁 (bicuspid aortic valve, n = 5)、狭窄(coarctation, n = 3)、上行大動脈瘤(n = 1)、 僧帽弁閉鎖不全(n = 2)、肺動脈弁狭窄(n = 1)、肺動脈末端狭窄(n = 2)であった。 11人の患者がウィリアムズ症候群、1人がヌーナン(Noonan)症候群であった。3個の パッチ(1洞にひとつ)を使った対称自己形成術が13人の患者に適用され、16人には その他の非対称法(1、2、Y型パッチ)が施された。平均術後年数は10.5年(範囲: 4ヶ月〜36年)であった。
結果:
どの方法も圧較差を十分減少させた。手術前から見られた大動脈弁閉鎖不全の進行 や新たな大動脈弁閉鎖不全による逆流の発生は、挿入されたパッチが大きすぎた患者 の1例を除いて見られなかった。
結論:
手術法の違いによる結果の差は見られなかった。しかし、大動脈切断後、各洞毎に 自組織心膜パッチを適用した大動脈基部の再構築は、解剖学的に正常な大動脈基部を 復元できる対称性を持つという利点がある。
(1999年9月)

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