Williams症候群の成人期先天性大動脈弁上狭窄症に対するBrom変法を施行した1例



中塚 大介、山中 一朗、上田 裕一
(公財)天理よろづ相談所病院 心臓血管外科
日本心臓病学会誌 Vol.8 Supplement T(2013年9月20日〜22日)、687ページ

症例は36歳女性。Williams症候群と大動脈弁上狭窄症の診断で経過観察されていたが、心臓超音波検査にて大動脈内加速血流の増大を認めた。造影CT所見から狭窄は砂時計様で最狭部系14o、心臓カテーテル検査で66oHgの圧較差を認めたため、外科的治療の方針となった。手術は、左冠尖が小さい形態であった為、 無冠尖と右冠尖を切り込み、ウマ心膜でパッチ拡大したBrom変法と上行大動脈人口血管置換術を施行した。手術所見ではST junction直上に各交連部から連続する2枚の膜様物を認め、これも狭窄の一因になり得ると考え、弁尖が変形せぬよう切除した。術後経過は良好で、術後の心臓超音波検査では推定圧較差18mmHgと改善を認め、大動脈弁狭窄も認めなかった。若干の文献的考察を加えて報告する。

(2014年4月)



目次に戻る