ウィリアムズ症候群患者における麻酔に関連する血行動態合併症:ある病院での経験のレビュー



Anaesthesia-related haemodynamic complications in Williams syndrome patients: A review of one institution's experience.

Olsen M(1), Fahey C, Costi D, Kelly A, Burgoyne L.
Author information:
(1)Department of Children's Anaesthesia, Women's and Children's Hospital, North Adelaide, South Australia.
Anaesth Intensive Care. 2014 Sep;42(5):619-624.

ウィリアムズ症候群は大動脈弁上狭窄や肺動脈狭窄などを含む循環器病理を有する遺伝子疾患である。周術期において心臓性突然死が報告されており、循環器系病理に帰する。この回顧的な監査においては、ウィリアムズ症候群と確定診断された患者で1974年7月から2009年11月までの間に当病院で麻酔を受けた全患者に関する症例記載と麻酔記録をレビューした。合計で108回の麻酔導入が29人の患者に対して実施された。麻酔のうち12件(11.1%)で循環器系合併症が関連しており、それらには心停止が2件(1.85%)含まれていた。2件の心停止のうちの1件では、患者1人が麻酔後24時間以内に死亡し、もう1人の患者は生存している。全体での死亡率は0.9%(3.4%)である。結論としては、ウィリアムズ症候群には麻酔に有意なリスクが存在し、全身麻酔を必要とする手術を計画している臨床医はそのことおを認識し考慮する必要がある。

(2014年9月)



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