ウィリアムズ症候群における高カルシウム血症の遅発:早期かつ高頻度のスクリーニングと治介入療の重要性



Late-onset hypercalcemia in Williams-Beuren syndrome: importance of early and frequent screening and intervention.

Helfrich AM, Philla KQ.
J Pediatr Endocrinol Metab. 2014 Oct 18. pii:
/j/jpem.ahead-of-print/jpem-2014-0266/jpem-2014-0266.xml. doi:
10.1515/jpem-2014-0266. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は多臓器に影響を及ぼし、軽度かつ一過性の乳児性高カルシウム血症が合併することが知られている。染色体マイクロアレイ法でウィリアムズ症候群との確定診断を既に受け、成長障害で入院した12か月の女児について報告する。検査の結果、血清カルシウム濃度は19.0 mg/dL (4.75 mmol/L) (正常値 9-11 mg/dL, SI: 2.25-2.75 mmol/L)であり、血清カルシウムイオン濃度は2.33 mmol/L (正常値 1.22-1.37 mmol/L) であることが判明した。女児の高カルシウム血症は易刺激性、摂食不良、軽度の筋緊張低下、便秘の兆候を伴っており、入院の6か月前から頻繁に表れるようになった。カルシウムレベルはウィリアムズ症候群の合併症としては最も高い値である。さらに、ウィリアムズ症候群の合併症としての高カルシウム血症は生後一年までには回復することが普通であるが、本症例は他の症例報告と比較しても遅くまで症状がみられる。本患者は当初、静脈内輸液投与、ループ系利尿薬療法、食餌カルシウム制限という保存療法に反応した。しかし、その後彼女は治療開始から5週間後に高カルシウム血症を再発したため、ビスフォスフォネート一容量を静脈内投与することで高カルシウム血症は消散した。本報告は、ウィリアムズ症候群という病態において、高カルシウム血症に関するスクリーニング、早期管理、遅発の認知などの重要性を強調する。

(2014年10月)



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