循環器の手術を受けたウィリアムズ症候群の子どもの有害な循環器事象：胸部外科学会による先天性心臓手術データベースの分析
Adverse cardiac events in children with Williams syndrome undergoing cardiovascular surgery: An analysis of the Society of Thoracic Surgeons Congenital Heart Surgery Database.
Hornik CP(1), Collins RT 2nd(2), Jaquiss RD(3), Jacobs JP(4), Jacobs ML(5), Pasquali SK(6), Wallace AS(3), Hill KD(3).
Author information:
(1)Department of Pediatrics, Duke University, Durham, NC; Duke Clinical Research Institute, Duke University, Durham, NC. Electronic address: christoph.hornik@dm.duke.edu.
(2)Division of Pediatric Cardiology, University of Arkansas for Medical Sciences and Arkansas Children's Hospital, Little Rock, Ark.
(3)Department of Pediatrics, Duke University, Durham, NC; Duke Clinical Research Institute, Duke University, Durham, NC.
(4)Andrews/Daicoff Cardiovascular Program, Johns Hopkins Children's Heart Surgery, St Petersburg, Fla; All Children's Hospital, Tampa, Fla; Florida Hospital for Children, Orlando, Fla.
(5)Department of Surgery, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, Md.
(6)Division of Pediatric Cardiology, University of Michigan C.S. Mott Children's Hospital, Ann Arbor, Mich.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2015 Feb 14. pii: S0022-5223(15)00149-X. doi:
目的：
循環器系の手術を受けたウィリアムズ症候群患者は主要有害心血管イベント（MACE）のリスクにさらされている。このようない弁に対する発生頻度とリスク要素はこれまで記述されていない。我々は複数の医療センターに登録されたデータを使ってウィリアムズ症候群患者の主要有害心血管イベントの頻度とリスクを探査した。
手法：
胸部外科学会による先天性心臓手術データベース（2000-2012）を用いてウィリアムズ症候群患者に摘要された循環器手術を特定した。手術を以下の4つのグループに分けた。孤発性大動脈弁上狭窄症、複合左室流出路（LVOT）、孤発性右室流出路（RVOT）、LVOT/RVOT組合せ手術である。主要有害心血管イベント（病因内での死亡、心停止、手術後の機械的循環援助）が発生する割合を記述し、手術前の要素との関連を調べた。
結果：
指標とした447回の手術（87医療機関）に関して、手術を受けた時の年齢と体重の中央値（四分位範囲）はそれぞれ2.4歳（0.6-7.4歳）と10.6kg（6.5-21.5 kg）であった。患者20人が死亡（5%）した。主要有害心血管イベントは41人の患者（9%）で発生し、最も多いのはLVOT/RVOT組合せ手術（87人中18回人、21%）であり、複合LVOT手術（131人中12人、9%）であるが、孤発性RVOT後には発生していない。主要有害心血管イベントの発生見込は年齢（odds ratio [OR], 0.99; 95% confidence interval [CI], 0.98-0.99）や体重(OR, 0.97; 95% CI, 0.93-0.99)とともに減少するが、手術前のリスク要素（OR, 2.08; 95% CI,1.06-4.00）の存在や、手術中の冠動脈修復手術 (OR, 5.37; 95% CI,2.05-14.06)などに対応して増える。
結論：
複数の医療センターにまたがる分析の結果、主要有害心血管イベントは循環器手術を受けたウィリアムズ症候群患者の9%に発生する。人口統計や手術特徴（operative characteristics）はリスクと関連している。この高リスク集団における主要有害心血管イベントを明らかにするためには更なる研究が必要である。
（２０１５年３月）
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