喀血を契機に肺動脈異常が発見され肺葉切除術に至ったWilliams症候群の1例



塙龍太郎、大竹宗太郎、木村吉成、田島敦志
済生会宇都宮病院呼吸器外科
気管支学 Vol36 No5 2014年9月 556ページ

症例は38歳女性。基礎疾患にWilliams症候群があり、大動脈弁上狭窄症でパッチ拡大術(3歳時)、大動脈縮窄症でパッチ拡大術(23歳時)を施行されている。突然発症の繰り返す喀血を主訴に当院小児科を受診し精査目的で入院となった。胸部造影CTにて左肺動脈底幹の狭窄、気管支動脈からの測副血行路を認めた。左下葉は低形成であった。心臓カテーテル検査で気管支動脈と左内胸動脈からの測副血行路を認め当科紹介となった。前述の測副血行路が喀血の原因である可能性が高いと判断し外科的治療の方針とした。左第6肋骨開胸床開胸、第6肋骨切除、左下葉切除術、異常血管結紮術を施行した。術後経過は良好で術後4日で退院となった。Williams症候群は、発症率が20000人に1人と比較的まれな疾患である。自験症例に文献的考察を加えて報告する。

(2015年9月)



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