ウィリアムズ症候群の青少年における循環器系リスクファクターの高い保有率
High prevalence of cardiovascular risk factors in children and adolescents with Williams-Beuren syndrome.
竹内 大二(1), 古谷道子(2,)(3), 原田百合子(4,)(5), 古谷善幸(6,)(7), 稲井 慶(8), 中西 敏雄(9,)(10), 松岡瑠美子(11,)(12,)(13).
Author information:
(1)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(2)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(3)国際統合医科学インスティテュート (IREIIMS), 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(4)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(5)国際統合医科学インスティテュート (IREIIMS), 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(6)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(7)国際統合医科学インスティテュート(IREIIMS), 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(8)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(9)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(10)国際統合医科学インスティテュート (IREIIMS), 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(11)循環器小児科, 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(12)国際統合医科学インスティテュート (IREIIMS), 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
(13)International Center for Molecular, Cellular, and Immunological Research (IMCIR), 東京女子医科大学, 162-8666 東京都新宿区河田町8-1
BMC Pediatr. 2015 Sep 17;15(1):126. doi: 10.1186/s12887-015-0445-1.
背景:
ウィリアムズ症候群の成人においては循環器系リスクファクターの出現率が高いことが報告されている。しかし、ウィリアムズ症候群の青少年におけるこの種のファクターの有病率は知られていない。そこで、本研究はこれらの患者における循環器系リスクファクターの有病率を評価することを目的とする。
手法:
18歳未満の32人のウィリアムズ症候群患者が研究に参加した。酸化低密度リポタンパク質水準(n=32)、経口ブドウ糖負荷試験(n=20)、血清中のレニンとアルドステロンの水準(n=31)、24時間携帯型血圧(ABP; n=24)、頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT; n=15)、上腕動脈の血流依存性血管拡張(FMD; n=15)を計測し分析した。
結果:
脂質特性は患者の22%が高コレステロール血症を示し、 94%に酸化低密度リポタンパク質水準上昇がみられた。ブドウ代謝異常は患者の70%で確認された。インスリン抵抗性は患者の40%でみられた。血清レニンと血清アルドステロンの水準はそれぞれ患者の45%と39%で高かった。収縮期血圧が90パーセンタイルより高い患者は29%である。頸動脈内膜中膜複合体厚が厚く(>0.65 mm)上腕動脈の血流依存性血管拡張がd少ない(<9 %)患者はそれぞれ80%と73%であった。
結論:
ウィリアムズ症候群の患者において、循環器系リスクファクターは子どものころから高い割合で存在する。ウィリアムズ症候群の子どもでは、成人になって循環器系の症状が出るリスクを高くする循環器系リスクファクターに長期間さらされているかどうかを確認するために、これらのファクターを早期に発見するためのスクリーニング検査と長期にわたる経過観察が必要である。
(2015年10月)
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