ウィリアムズ症候群患者の高カルシウム血症
Hypercalcemia in Patients with Williams-Beuren Syndrome.
Sindhar S(1), Lugo M(1), Levin MD(2), Danback JR(1), Brink BD(3), Yu E(3), Dietzen DJ(1), Clark AL(1), Purgert CA(1), Waxler JL(4), Elder RW(5), Pober BR(6), Kozel BA(7).
Author information:
(1)Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St. Louis,MO.
(2)National Institutes of Health, National Heart, Lung, and Blood Institute, Bethesda, MD.
(3)Frank H. Netter School of Medicine, Quinnipiac University, North Haven, CT.
(4)Massachusetts General Hospital, Boston, MA.
(5)Section of Cardiology, Departments of Pediatrics and Internal Medicine, Yale University School of Medicine, New Haven, CT.
(6)Frank H. Netter School of Medicine, Quinnipiac University, North Haven, CT; Massachusetts General Hospital, Boston, MA; Harvard Medical School, Boston, MA.
(7)Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO; National Institutes of Health, National Heart, Lung, and Blood Institute, Bethesda, MD. Electronic address: beth.kozel@nih.gov.
J Pediatr. 2016 Aug 26. pii: S0022-3476(16)30694-1. doi: 10.1016/j.jpeds.2016.08.027. [Epub ahead of print]
目的:ウィリアムズ症候群における高カルシウム血症の時期、軌跡、影響を多施設遡及研究で評価する。
研究設計:0歳から67.1歳のウィリアムズ症候群被験者232人の血漿カルシウムレベルに関するデータを対照群および標準データと比較した。連合テストを用いて関連合併症を特定した。
結果:平均的にはウィリアムズ症候群患者は血漿カルシウムレベルは対照群に比べて高いが、数値の86.7%は正常である。小児を対象としていない研究施設が小さな子どもの高カルシウム血症を大げさに報告していた。小児の基準範囲を当てはめると、高カルシウム血症の発症は乳児で51%、幼児で38%に低下する。全年齢を通じて、6.1%の被験者が治療を必要とする高カルシウム血症であった。子どもにおいて、治療を必要とする高カルシウム血症は生後5から25か月の間にみられた。年齢の高い被験者においては、治療を必要とする高カルシウム血症は他の疾患プロセスの二次的症状であることが多い。脱水症状、高カルシウム尿症、腎石灰化症の兆候が両グループに共通的にみられた。カルシウムレベルのスクリーニングを用いても、将来高カルシウム血症になるかどうかの予測はできない。91名の被験者に対してサブグループ分析を行ったところ、高カルシウム血症と循環器疾患、胃腸にかんする愁訴、腎臓の異常の間に相関は無かった。心電図(electrogradiography)を分析したところ、カルシウムの濃度と補正QT時間の間に負の相関がみられたが、急性で重篤な発作は報告されていない。
結論:ウィリアムズ症候群患者における治療を必要とする高カルシウム血症の発生頻度は高くない。易刺激性や傾眠が共通的に報告されているが、致命的な、あるいは急性で重篤な発作は高カルシウム血症に合併は合併せず、統計的に合併すると確定した症状は脱水症状、高カルシウム尿症、腎石灰化症だけである。
(2016年9月)
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