誕生後一ヶ月間の症候性高カルシウム血症:カルシウム調整ホルモンと治療



Symptomatic hypercalcemia in the first months of life: calcium-regulating hormones and treatment.

Ghirri P; Bottone U; Coccoli L; Bernardini M; Vuerich M; Cuttano A; Riparbelli C; Pellegrinetti G; Boldrini A
Divisione di Neonatologia, Universita di Pisa, Ospedale S. Chiara, Italy.
J Endocrinol Invest (ITALY) May 1999, 22 (5) p349-53, ISSN 0391-4097

新生児の高カルシウム血症は発生頻度の低い疾病であり、病原論が解明されていない。こ の疾病がは、発見されない場合や治療が行われない場合は、中枢神経系統や腎臓に障害を 与える可能性がある。我々は、 病原論および治療学的側面から新生児症候性高カルシウム 血症を有する3人の幼児を研究した。幼児のひとりは、高い副甲状腺ホルモン(iPTH)レベ ルが損なわれていない上皮小体機能亢進生(hyperparathyroidism)を持っていた。2人めの 幼児は小妖精顔貌と高カルシウム血症を有した不完全型ウィリアムズ症候群であった。こ のケースの病原論は解明されていない。カルシトニン分泌の減少、あるいはビタミン D へ の過敏症が、この場合考えられる原因である。3人目は、1,25(OH)2Dレベルが高くiPTHレ ベルが低い値を示す高カルシウム血症、及び皮下脂肪壊死を合わせ持つことが発見された。 これらの調査結果は、1,25(OH)2Dの腎外生産が調整されていないことを示している。これ らの幼児は、 hydratation,フロセミド(ループ利尿薬:furosemide),コルチコステロイド, 低カルシウム食品を用いて治療が行われた。症候性高カルシウム血症示す新生児は、速やか に治療を行うべきである。しかしながら、カルシウム調整ホルモンの研究と病原論を追求 するために、治療を始める前に血液サンプルをとらなければならない。

(1999年9月)

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