子宮内におけるウィリアムズ症候群の動脈形成異常に関する症例報告
A Case Report of in Utero Williams Syndrome Arterial Malformation.
Kobalka AJ(1), Mrak RE(1), Gunning WT(1).
Author information:
(1)a Department of Pathology , University of Toledo College of Medicine and Life Sciences , Toledo , OH , USA.
Fetal Pediatr Pathol. 2017 Dec 11:1-5. doi: 10.1080/15513815.2017.1379040. [Epub ahead of print]
はじめに:
ウィリアムズ症候群は第7染色体の遺伝子欠失に関連した常染色体顕性な疾患で大動脈の狭窄と死亡を引き起こす。ウィリアムズ症候群に関連する変異が動脈の弾性繊維を破壊し、その結果平滑筋の形成異常、筋内膜線維症や 重度の高血圧を引き起こす。これまでの研究でウィリアムズ症候群の成人患者における動脈の超微細構造的に異常があることが示された。ウィリアムズ症候群の動脈表現型が子宮内でも存在するかどうかはこれまで知られていない。
症例報告:
28歳女性が34週で死産し、遺伝子的にウィリアムズ症候群と確定診断された。その患者から採取された大動脈組織を、ウィリアムズ症候群ではなく、かつ同等の在胎期間だった胎児の大動脈組織と、電子顕微鏡及び光学顕微鏡を使って比較した。両組織片とも大動脈根近位から採取した。この結果、内部弾性板の破壊、弾性繊維の形成異常、平滑筋の増殖と異常なコラーゲン繊維等が明らかになり、ウィリアムズ症候群成人の表現型と一致する。
(2017年12月)
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