ウィリアムズ症候群における循環器疾患
Cardiovascular disease in Williams syndrome.
Collins RT 2nd(1)(2).
Author information:
(1)The Department of Pediatrics, Division of Cardiology, Stanford University School of Medicine.
(2)The Department of Pediatrics, Division of Cardiology, Lucile Packard Children's Hospital Stanford, Palo Alto, California, USA.
Curr Opin Pediatr. 2018 Jul 23. doi: 10.1097/MOP.0000000000000664. [Epub ahead of print]
レビューの目的:
ウィリアムズ症候群は多系統疾患であり、小児医療センターではある一定割合で診られ、ほとんどの大きなセンターではかなりの頻度で診られる。ウィリアムズ症候群患者においては、エラスチン不全を原因とする循環器系異常が、罹患率でも死亡率でも最も多い原因である。本論文はウィリアムズ症候群における循環器問題に関する最新の進展のレビューを取り上げる。
最近の発見:
ウィリアムズ症候群患者の80%に循環器異常が発生し、その大部分が動脈の狭窄である。ウィリアムズ症候群で診られる狭窄は動脈外周の成長不全によって引き起こされると思われる。動脈狭窄を改善することを目的とした薬理学的療法が、動物をモデルとした実験で効果が見込まれている。大動脈弁上狭窄に対する外科的治療は大部分の医療センターで成功裏に実施されている。経カテーテル介入はウィリアムズ症候群においてはほとんど効果がない。様々なレベルでの外科的肺動脈再建術は末梢性肺動脈狭窄に対して素晴らしい成果を挙げている。周術期リスクの階層化と管理アルゴリズムは循環器合併症の発生リスクを低減できる可能性がある。
要約:
循環器異常はウィリアムズ症候群患者の臨床像と軌跡を決めるための重要な決定要素である。外科手術技法、医学療法の選択肢、周術期管理方法などの進歩はこの症候群の患者における循環器系疾患の予後を有意に改善できる見込みを有している。
(2018年8月)
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