小児高カルシウム血症の2種類の異なる原因



Two Different Causes of Paediatric Hypercalcaemia.

Kutilek S(1), Plasilova I(2), Chrobok V(3).
Author information:
(1)Department of Paediatrics, Klatovy Hospital, Klatovy, Czech Republic.
(2)Department of Paediatrics, Pardubice Hospital, Pardubice, Czech Republic.
(3)Department of Otorhinolaryngology, Pardubice Hospital, Pardubice, Czech Republic.
Sultan Qaboos Univ Med J. 2018 Aug;18(3):e389-e392. doi: 10.18295/squmj.2018.18.03.022. Epub 2018 Dec 19.

小児高カルシウム血症は稀少な疾患であり、簡単に見過ごされたり誤診される。チェコ共和国のパルドゥビツェ市のパルドゥビツェ病院小児科を2009年と2010年にそれぞれ受診した2人の小児患者について報告する。両患者はそれぞれ異なる病因によって高カルシウム血症と診断された。最初の患者は、成長障害、嘔吐、精神運動発達遅滞を呈する生後7か月の乳児である。FISH法によってウィリアムズ症候群と判明した。2番目の患者は16歳の少女で、 高カルシウム血症が引き起こす尿路結石症による腹痛、腎疝痛を呈していた。血清中の副甲状腺ホルモンレベルが高く、原発性副甲状腺機能亢進症を示唆していた。 99mテクネチウムで標識をつけたメトキシ・イソブチルイソニトリルを使った単光子コンピュータ断層撮像により左側副甲状腺腺腫の診断を行い、外科手術で取り除いた。高カルシウム血症は異なる様々な病態診断の中で発生するものであり、特に腹痛を併発する成長障害を呈する乳幼児に診られる。

(2019年1月)



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