ウィリアムズ症候群患者における腎血管および大動脈の狭窄を原因とする全身系高血圧の診断と管理
Diagnosis and management of systemic hypertension due to renovascular and aortic stenosis in patients with Williams-Beuren syndrome.
Furusawa EA(1), Esposito CSL(1), Honjo RS(2), Suzuki L(3), Leal GN(3), Kim CA(2), Schvartsman BGS(1).
Author information:
(1). Pediatric Nephrology Unit, Institute of Children, Hospital das Clinicas, Faculty of Medicine, University of Sao Paulo, Sao Paulo, Brasil.
(2). Genetics Unit, Institute of Children, Hospital das Clinicas, Faculty of Medicine, University of Sao Paulo, Sao Paulo, Brasil.
(3). Radiology Unit, Institute of Children, Hospital das Clinicas, Faculty of Medicine, University of Sao Paulo, Sao Paulo, Brasil.
Rev Assoc Med Bras (1992). 2018 Aug;64(8):723-728. doi:10.1590/1806-9282.64.08.723.
目的:ウィリアムズ症候群患者における腎動動脈狭窄に起因する全身系動脈高血圧の発生率・診断・管理を述べること。
手法:65人のウィリアムズ症候群患者について高血圧を検査した。参加した患者は腎動脈のドップラー超音波検査とドップラー心エコー検査を受けた。ドップラー超音波検査で病変が発見された患者、あるいはドップラー超音波検査は正常だったが重度の高血圧を有する患者は、大動脈と腎臓の血管に対してCT検査かガドリニウム増強核磁気共鳴血管撮影を受けた。循環器への治療的介入を必要とする患者は通常の血管造影を受けた。
結果:全身系動脈高血圧はウィリアムズ症候群患者の21/65(32%、男性13人)で診断され、平均年齢は13.9歳(5か月〜20歳)であった。患者8/21中に腎血管高血圧が検出された。腎動脈狭窄を呈する5人の患者では血管形成術が成功せず、さらなる治療を必要としている。ドップラー心エコー検査の結果、循環器異常が高血圧患者の16/21(76%)に認められた。
結論:ウィリアムズ症候群患者において循環器異常と高血圧は共通して見られる。従って、この症候群の患者の循環器リスクと死亡率を減らすためには徹底的な評価と経過観察が必要である。
(2019年2月)
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