ウィリアムズ症候群における肺動脈再建術の予後
Outcomes of pulmonary artery reconstruction in Williams syndrome.
Collins RT 2nd(1), Mainwaring RD(2), MacMillen KL(3), Hanley FL(2).
Author information:
(1)Stanford University School of Medicine, Divisions of Pediatric Cardiology; Lucile Packard Children's Hospital Stanford, Palo Alto, CA. Electronic address: tomcollins@stanford.edu.
(2)Pediatric Cardiac Surgery; Lucile Packard Children's Hospital Stanford, Palo Alto, CA.
(3)Lucile Packard Children's Hospital Stanford, Palo Alto, CA.
Ann Thorac Surg. 2019 Mar 15. pii: S0003-4975(19)30350-9. doi: 10.1016/j.athoracsur.2019.02.013. [Epub ahead of print]
背景:
ウィリアムズ症候群患者における肺動脈再建手術の短期・中期予後を評価すること。
手法:
2001年1月から2018年5月の間にルシール・パッカードこども病院(Lucile Packard Children's Hospital)で肺動脈再建手術を受けたウィリアムズ症候群患者全員に対して後向きコホート研究を実施した。
結果:
研究対象期間に肺動脈再建手術を受けたウィリアムズ症候群患者は25人(52%が女性)いた。手術時点の年齢の中央値は2.4歳(四分位範囲:0.9, 4.5)だった。手術前の右心室における血圧は80 mmHg (四分位範囲:70, 90)、大動脈血圧は96 mmHg (四分位範囲:90, 107)、右心室:大動脈血圧比は 0.8 (四分位範囲:0.7, 1.0)だった。肺動脈形成パッチの中央値は16.5 (四分位範囲: 6.5, 24)だった。手術後の右心室における大動脈血圧は27 mmHg (四分位範囲:20, 31) で大動脈血圧は 90 mmHg (四分位範囲:87, 105)、右心室:大動脈血圧比は0.27 (四分位範囲:0.22,0.35)だった。術後の右心室における血圧と右心室:大動脈血圧比は手術前より有意に低い(両方とも p<0.0001)。手術後の死亡例は1例であった(1/25, 4%)。経過観察期間の中央値は2.6年(四分位範囲:0.94, 3.4)であり、患者の1人(1/24, 4.2%) は、右心室流出路動脈瘤修復術を受け、2人(2/24, 8.3%)が肺動脈のバルーン拡張術を受けた。
結論:
心臓周囲以外の重の狭窄に立ち向かう多層の肺動脈再建術は、ウィリアムズ症候群患者に対して非常に有効である。この手術法は右心室血圧をただちに正常化することに繋がり、中期的経過観察期間においても再手術率は低い。
(2019年3月)
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