原発性大動脈弁上狭窄症修復術の長期術後予後
Long-term Surgical Prognosis of Primary Supravalvular Aortic Stenosis Repair.
Wu FY(1), Mondal A(2), Del Nido PJ(2), Gauvreau K(2), Emani SM(2), Baird CW(2), Kaza AK(3).
Author information:
(1)Department of Surgery, Taipei Veteran General Hospital, Taiwan. No.201, Sec.2, Shipai Rd., Beitou District, Taipei City, Taiwan 11217, R.O.C.
(2)Department of Cardiac Surgery, Boston Children's Hospital, Boston, MA, USA. 330 Longwood Avenue, Department of Cardiac Surgery, Boston, Massachusetts 02115.
(3)Department of Cardiac Surgery, Boston Children's Hospital, Boston, MA, USA. 330 Longwood Avenue, Department of Cardiac Surgery, Boston, Massachusetts 02115. Electronic address: aditya.kaza@cardio.chboston.org.
Ann Thorac Surg. 2019 Jun 20. pii: S0003-4975(19)30859-8. doi: 10.1016/j.athoracsur.2019.04.094. [Epub ahead of print]
背景:大動脈弁上狭窄症はいくつかの異なるグループから構成される。そこには、ウィリアムズ症候群、家族性エラスチン動脈症、孤発例、その他が含まれる。本研究では大動脈弁上狭窄症修復術の長期治療成績について探求した。
手法:合計87人の患者が1997年から2017年までの間に我々の医療施設で先天性大動脈弁上狭窄の修復術を受けた。41人の患者がウィリアムズ症候群、46人がウィリアムズ症候群以外であり、そのうち23人は大動脈弁上狭窄症の孤発例、13人は家族性エラスチン動脈症であった。人口統計データと予後をレビューし、臨床データを用いて分析した。
結果:手術時点の年齢の中央値は2.9歳であった。洞上行大動脈移行部におけるz値の平均値は-3.29±1.42であり、大動脈根は-0.09±1.19であった。患者の21%(n=22)は冠動脈入口部狭窄、彼らの41% (n=9)はパッチ形成術を必要とした。5歳、10歳、20歳の時点の生存率はすべて94.3%であった。5歳、10歳、20歳の時点で左心室流出路障害の再手術を必要としなかった割合は、それぞれ78.5%、70.3%、70.3%であった。5歳、10歳、20歳の時点で大動脈弓の治療再介入が不要だった割合は、それぞれ98.6%、94.3%、89.3%であった。リスク要素分析において、年齢が1歳未満、大動脈弁、大動脈根、左心室流出路障害に対する外科的修復の共存は、左あるいは右心室流出路障害に対する再手術や治療再介入を予見させる。
結論:大動脈弁上狭窄症に対する外科的修復によって、良好な長期的生存率が実現されている。年齢が1歳未満で、大動脈弁が小さく、大動脈根と大動脈根のz値が小さく、左心室流出路障害に対する外科的修復を受けている場合、再手術や治療再介入が予見される。
(2019年6月)
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