急速に虚血性心筋症を進行させたウィリアムズ症候群の乳児に対する心臓移植



Heart transplantation in an infant with Williams-Beuren syndrome and rapidly progressive ischemic cardiomyopathy.

Baez Hernandez N(1), Kirk R(1), Davies R(2), Roumillat J(3), Sutcliffe D(1), Bano M(1), Butts R(1).
Author information:
(1)Department of Pediatrics, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, Texas.
(2)Department of Cardiothoracic Surgery, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, Texas.
(3)Department of Ethics, Children's Medical Center, Dallas, Texas.
Pediatr Transplant. 2020 Feb 29:e13688. doi:10.1111/petr.13688. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群患者は難治性心不全を伴う虚血性心筋症を発症する可能性があり、冠動脈にも影響を及ぼす大動脈弁上狭窄症が原因であることが多い。若いうちから動脈症を急速に進行させることで、別の動脈部分の狭窄が急激に進行して心臓の移植組織の長期的な機能に対して有害な影響を与えることから、移植候補になることへの懸念が起きる。新生児期に軽度の大動脈狭窄と診断された生後2カ月の男児で、その後大動脈弁上部および冠動脈に狭窄を急速に進行させた結果、心筋虚血を引き金とする心原性ショックに至った症例を報告する。臨床症状からウィリアムズ症候群の診断に至った。患者は体外式膜型人工肺装置を含む遷延心肺蘇生法を必要としていた。その後、移植までのつなぎとして左室補助循環装置の埋め込み手術を受け、その4日後に心臓移植を受けた。術後の経過は複雑であり、人工呼吸気利用期間、ICU配置期間、入院期間の延長を行った。しかし、移植後18カ月の経過観察機関において、移植心臓の機能は正常であり、残留している軽度の大動脈縮窄は進行せず、中程度の肺動脈の形成不良も進行していない。

(2020年3月)



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