特発性乳児高カルシウム血症の家族的発生



Familial occurrence of idiopathic infantile hypercalcemia.

McTaggart SJ, Craig J, MacMillan J, Burke JR
Mater Misericordiae Hospital and Royal Children's Hospital, Brisbane, Queensland, Australia
Pediatr Nephrol 1999 Sep 15;13(8):668-671

特発性乳児高カルシウム血症(IIH)は出生後1年以内に起こるめずらしいタイプの高カルシ ウム血症で、ビタミンD中毒(vitamin D intoxication)、ウィリアムズ症候群、特発性高 カルシウム血症等の一種だと考えられていた。ウィリアムズ症候群の責任遺伝子が特定さ れたことから、現在では特発性乳児高カルシウム血症とウィリアムズ症候群を明確に分離 することが可能となった。これまでの報告は散発的症例だけで、特発性乳児高カルシウム 血症の遺伝や病因はほとんど明らかになっていない。本報告では、2人の子どもが特発性乳 児高カルシウム血症になった家系について報告する。系図は常染色体劣勢遺伝を示してい るが、家族の多くが罹患している高カルシウム尿症の発症を考えると、もっと複雑な遺伝 形態の可能性が考えられる。患者の1人は1,25-dihydroxyvitamin D(3)レベルの上昇を示 しているが、この病態の病因に関しての結論は記載されていない。

(1999年12月)

目次に戻る