ウィリアムズ症候群の子どもでは左心室流出路圧較差が冠動脈閉塞と関連している



Left Ventricular Outflow Tract Gradient Is Associated With Coronary Artery Obstruction in Children With Williams-Beuren Syndrome.

Tan AYJ(1), Quiat D(2), Ghelani SJ(2), 結城 公一(3).
Author information:
(1)Department of Anesthesiology, Critical Care and Pain Medicine, Cardiac Anesthesia Division, Boston Children's Hospital, Boston, MA; Department of Anesthesia, Harvard Medical School, Boston, MA; Department of Anesthesia, KK Women's and Children's Hospital, Singapore.
(2)Department of Cardiology, Boston Children's Hospital, Boston, MA; Department of Pediatrics, Harvard Medical School, Boston, MA.
(3)Department of Anesthesiology, Critical Care and Pain Medicine, Cardiac Anesthesia Division, Boston Children's Hospital, Boston, MA. Electronic address: koichi.yuki@childrens.harvard.edu.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2021 Jan 4:S1053-0770(20)31397-5. doi: 10.1053/j.jvca.2020.12.050. Online ahead of print.

目的：

ウィリアムズ症候群の患者は、鎮静や麻酔中の血行動態崩壊のリスクが高いことがあり、恐らくは潜在的な冠動脈閉塞が原因である。本研究の目的は、麻酔前の経胸壁心エコー図によって冠動脈閉塞の存在を予測できるかどうかを調べるために、経胸壁心エコー図の所見と冠動脈閉塞の存在との関連を検討することである。

設計：

経胸壁心エコー図、心カテーテル、外科的介入処置を受けたウィリアムズ症候群患者の回顧的データ分析を行い、心エコー図所見と心カテーテルや手術によって確定診断された冠動脈閉塞の存在との相関関係を確定する。

設定：

大学の単独教育病院。

被験者：

この研究には、経胸壁心エコー図や心カテーテルや外科的介入処置を受けたウィリアムズ症候群の患者49人が含まれている。

測定値と主な結果：

冠動脈閉塞と相関する唯一の変数は、経胸壁心エコー図による左心室流出路(LVOT)全体の最大瞬時圧較差(maximum instantaneous gradient)であった。左心室流出路最大瞬時圧較差75mmHg以上を閾値とすることで冠動脈閉塞(曲線以下の範囲 0.659、オッズ比6.71、95%信頼区間 1.31〜34.35、p = 0.022)と相関があった。

結論：

左心室流出路圧較差は、ウィリアムズ症候群患者における冠動脈閉塞の存在を示す良好な予測値として役立つ可能性がある。

（２０２１年１月）



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