新生児および乳児の高カルシウム血症の遺伝子的原因
Genetic causes of neonatal and infantile hypercalcaemia.
Gorvin CM(1)(2).
Author information:
(1)Institute of Metabolism and Systems Research and Centre for Endocrinology, Diabetes and Metabolism, University of Birmingham, Birmingham, B15 2TT, UK. C.Gorvin@bham.ac.uk.
(2)Centre of Membrane Proteins and Receptors (COMPARE), Universities of Birmingham and Nottingham, Birmingham, B15 2TT, UK. C.Gorvin@bham.ac.uk.
Pediatr Nephrol. 2021 May 14. doi: 10.1007/s00467-021-05082-z. Online ahead of print.
新生児や乳児における高カルシウム血症の原因は様々であり、成長した子どもや成人のそれとは異なることが多い。高カルシウム血症は臨床的に様々な症状を合併する。すなわち成長障害、哺乳障害、便秘、多尿症、易刺激性、傾眠、てんかん、筋緊張低下などが含まれる。高カルシウム血症の疑いがある場合、正確な診断を行うためには、潜在的な原因(家族歴等)、身体低特徴(異常形態や皮下脂肪沈着等)とともに、血清中カルシウムの総量やイオン、血清中のリン酸塩とクレアチニンとアルブミン、未変化副甲状腺ホルモン、ビタミンD代謝物、尿中のカルシウムとリン酸塩とクレアチニン等を含む生化学的検査が必要である。新生児高カルシウム血症の原因は副甲状腺ホルモンの上昇疾患と低下疾患に分類される。高い血清副甲状腺ホルモンに合併する疾患には新生児重度副甲状腺機能亢進症や家族性低カルシウム尿高カルシウム血症やヤンセン型骨幹端軟骨異形成などがある。低い血清副甲状腺ホルモンに合併する疾患には特発性新生児高カルシウム血症、ウィリアムズ症候群、低ホスファターゼ血症を含む先天性代謝異常などがある。母親の低カルシウム血症や栄養摂取状況や稀少な重度内分泌疾患が新生児の血清カルシウムレベルに影響を与える。本レビューは新生児および乳児の高カルシウム血症に共通する原因に焦点をあて、カルシウムの調節不全に関連する、母親起因、食事起因、遺伝的起因の原因について考察する。この疾患の患者に関する臨床症状と治療方法について議論する。
(2021年5月)
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