アイカルディ・グティエール症候群とウィリアムズ症候群を併せ持つ乳児のもやもや症候群:症例報告
Moyamoya Syndrome in an Infant with Aicardi-Gouti?res and Williams Syndromes: A Case Report.
Brar JS(1)(2)(3), Verma R(2)(3), Al-Omari M(2)(3)(4), Siu VM(2)(3)(5), Andrade AV(2)(3)(4), Jurkiewicz MT(3)(6), Lalgudi Ganesan S(1)(2)(3).
Author information:
(1)Department of Pediatrics, Division of Pediatric Critical Care Medicine, Children's Hospital, London Health Sciences Centre, London, Ontario, Canada.
(2)Department of Pediatrics, Children's Hospital, London Health Sciences Centre, London, Ontario, Canada.
(3)Schulich School of Medicine and Dentistry, Western University, London, Ontario, Canada.
(4)Division of Pediatric Neurology, Department of Pediatrics, Children's Hospital, London Health Sciences Centre, London, Ontario, Canada.
(5)Division of Medical Genetics, Department of Pediatrics, Children's Hospital, London Health Sciences Centre, London, Ontario, Canada.
(6)Department of Medical Imaging, Children's Hospital, London Health Sciences Centre, London, Ontario, Canada.
Neuropediatrics. 2021 Dec 1. doi: 10.1055/s-0041-1739131. Online ahead of print.
乳児の脳卒中は珍しい症例であるが、重大な長期障害を引き起こす可能性がある。我々は基礎疾患としてウィリアムズ症候群を有するオールド・オーダー・アーミッシュの6か月の乳児の症例を提示する。ウィリアムズ症候群は希少な神経発達疾患であり、エラスチン遺伝子を含むその周囲の微小欠失を原因とし、肺や血管のエラスチン繊維の生成異常を引き起こす。本乳児は傾眠、易刺激性、全身性強直間代性痙攣の新規発症を呈した。脳のMRI検査は小脳テント領域に虚血性脳卒中の病状を示していた。MRIによる血管造影によっていわゆる「ivy sign」を呈する両側性の内頚動脈狭窄、すなわち「もやもや病」を示している。もやもや病/症候群は脳血管の症状で頭蓋内の血管の狭窄の進行に関連しており、小児の虚血性脳卒中の原因となる。標的変異解析の結果、SAMFD1遺伝子においてc.1411-2A > Gスプライス部位変異からなる半接合の存在が明らかになった。これは多系統に影響がある常染色体劣性遺伝である5型アイカルディ・グティエール症候群(AGS5)の診断と整合する。もやもや症候群を伴う脳卒中、ウィリアムズ症候群と5型アイカルディ・グティエール症候群の重複診断を併せ持つ独特な本症例において、両診断は脳血管の病態に影響を与えている。本症例報告は、もやもや病に関連する症例を呈する子どもには、複数の遺伝子異常を疑って検査を行うことの重要性を示している。
(2021年12月)
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