無題(1999年における小児心臓病学の動向)



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Kachaner J
Service de Cardiologie Pediatrique, Hopital Necker-Enfants malades, Paris.
Arch Mal Coeur Vaiss 2000 Jan;93(1 Spec No):63-8

小児心臓病学は成果の著しい活発な分野である。1999年に得られた成果には、循環器画 像表示と心臓病外科学の技術の採用、胎児心臓病学及び医学・分子遺伝学の分野の研究者 の共同研究に基づく新しい成果が含まれている。画像表示の進歩は、超音波やX線や核磁 気共鳴による画像を3次元画像として組み上げる能力をもったマイクロプロセッサーの能 力に負う。この機能によて、外科医が見ている心臓や血管の内部に極めて近い画像を提供 できる。この成果は先天性心臓病の診断と治療を向上させる有力な道具になっている。同 様に、臓器認識プログラムの開発によって、血管壁や内皮細胞機能の詳細な超音波診断が 可能になり、ごく早期に予防血管医療(preventive vascular medicine)という新しい分野 が拓けた。

小児心臓外科も急速に進歩しており、昨年には新しい置換材の移植や固定による安全で 簡単な方法で心房中隔欠損の縫合を行う治療法に対する合意ができた。大血管や大動脈弓 の付け替えが必要になり出生後数時間以内に生命の危機につながるような先天性心臓病に 対する治療と予後判断には出生前診断が重要な役割を担っている。最後に、遺伝子学の進 歩により心臓奇形に寄与するいくつかの遺伝子の同定に成功し、心臓病を併発することが 多い症候群と間質の微小欠失の関連を明らかにした。これには、22q11染色体とDi George 症候群、7q染色体とウィリアムズ症候群などが含まれる。変性神経病(degenerative neuropathy:フリードライヒ病=Friedreich's disease)における心筋と小脳の異常をミト コンドリア呼吸循環(mitochondrial respiratory chain)と結びつけた結果、真の治療の機 会を提供できるようになったという成果も含まれている。

(2000年4月)



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