ウィリアムズ症候群の子どもの循環器外科手術後の30年生存(小児循環器治療コンソーシアムの研究から)



Thirty-Year Survival After Cardiac Surgery in Children With Williams-Beuren Syndrome (from the Pediatric Cardiac Care Consortium Study).

Zinyandu T(1), Montero AJ(1), Thomas AS(1), Sassis L(2), Kefala-Karli P(2), Knight J(3), Kochilas LK(4).
Author information:
(1)Department of Pediatrics, Emory University School of Medicine, Atlanta, Georgia.
(2)University of Nicosia, School of Medicine, Nicosia, Cyprus.
(3)Department of Epidemiology, University of Georgia School of Public Health, Athens, Georgia.
(4)Department of Pediatrics, Emory University School of Medicine, Atlanta, Georgia; Sibley Heart Center, Children's Healthcare of Atlanta, Atlanta, Georgia. Electronic address: Lazaros.Kochilas@emory.edu.
Am J Cardiol. 2023 Jan 15;187:48-53. doi: 10.1016/j.amjcard.2022.10.037. Epub 2022 Nov 29.

ウィリアムズ症候群は合併する先天性心疾患の治療を必要とすることが多い遺伝子疾患である。ウィリアムズ症候群の子どもの循環器外科手術後の長期生存データは少ない。この研究は、1982年から2009年の間に、北米を基盤とした大規模な小児心臓病の治療に関するデータが登録された小児循環器治療コンソーシアムのデータに基づき、ウィリアムズ症候群の子どもの循環器外科手術後の30年生存予後を記録することを目的とした後向きコホート研究である。予後は小児循環器治療コンソーシアムのデータから抽出し、2020までの全米死亡指標と結合した。ウィリアムズ症候群の生存患者及びその主なサブグループをカプラン・マイヤー生存曲線やコックス回帰モデルで評価した。合計200人の患者が、小児循環器治療コンソーシアムに参加するセンターで最初の先天性心疾患の治療を受けた年齢が21歳未満であるという判定基準に合致した。最も多い病変部位は左心の閉塞性病変で、単離(37%)あるいは右心の閉塞性病変との合併(49.0%)のどちらかである一方、右心の閉塞性病変の単離は全体の11%であった。グループの85.5%は最初の治療が外科手術であり、残りは経カテーテル的処置を受けていた。院内死亡は5例(2.5%)で、退院時点で生存していた患者の内、164人が全米死亡指標と結合ができる指標になった。退院後の経過観察期間の中央値である23.7年(四分位数間範囲は18.7から27.3)以降に16例が死亡し、総合的な30年生存率は90%であった。生存率の範囲は、左心あるいは右心の閉塞性病変の単離の場合の96.1%から、複合疾患(ハザード比4.7で補正し、信頼区間は1.35から16.59)の患者の83.4%までである。




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