ウィリアムズ症候の不整脈



Arrhythmias in Williams Syndrome.

Deitch AM(1), Giacone HM(2), Chubb H(2), Algaze CA(2), Lechich KM(2), Collins RT(2).
Author information:
(1)Department of Pediatric Cardiology, Lucile Packard Children's Hospital, Stanford University, Stanford, California. Electronic address: adeitch@stanford.edu.
(2)Department of Pediatric Cardiology, Lucile Packard Children's Hospital, Stanford University, Stanford, California.
Am J Cardiol. 2023 Apr 8;195:91-97. doi: 10.1016/j.amjcard.2023.03.004. Online ahead of print.

ウィリアムズ症候群は先天性の多系統疾患であり、患者の80%は循環器に異常がある。ウィリアムズ症候群の心臓突然死は母集団に比べて25倍から100倍多い頻度で発生し、心臓再分極はウィリアムズ症候群では異常である。我々はウィリアムズ症候群における一次不整脈の有病率を確定させ、補正QT延長が不正脈リスクに影響を与えているかどうかを調べたいと考えた。2017年10月から2022年1月の間に我々の医療機関に外来で心電図を計測した全ウィリアムズ症候群患者を遡及的にレビューした。主要評価は不整脈の存在である。予め決定した分析用の予測変数は、心室及び心房性期外収縮負荷(%)、心拍の変動を伴う補正QTの変動度合、12誘導心電図の間隔とリズム、年齢、性別、総体症状、臨床および手術病歴である。全部で74人の患者(55%が女性、年齢中央値は8歳(3歳から13歳)が外来で108種類の検査を受けた。不整脈は9人の患者(12%)で観察された。これら9人の患者では、18/24シリアルモニターは異常で、患者9人中3人(33%)は不正脈型が1を超えていた。年齢が高いこと(p = 0.002) と症状の存在(失神, p = 0.005)が不整脈の存在と関係していた。不整脈は構造的心疾患の程度とは関連していない。心房性頻拍が最も不整脈を示唆していた(n = 6; 不整脈を有する患者の67%、また全コホート集団の8%)。グループ全体で補正QTの異常は心拍の上昇を伴って増加していた。不整脈を有する患者において心室及び心房性期外収縮負荷の時間当たりの発生頻度が高くなっている。結論としては、ウィリアムズ症候群患者においては心房性不整脈が最も多くみられる不整脈であり、定期的な外来心電図検査と間欠的な拍動モニターがウィリアムズ症候群で必要であり、ウィリアムズ症候群の心臓突然死リスクが高い場合は特にである。

(2023年4月)



目次に戻る