ウィリアムズ症候群の子どもにおける大動脈弁上狭窄症の外科的治療中に発症した致死的真菌性大動脈炎
Lethal Fungal Aortitis In Surgically Corrected Supravalvular Aortic Stenosis In A Child With Williams Syndrome.
Butt A(1), Ashraf N(2), Tariq K(2), Amanullah M(2).
Author information:
(1)Yale School of Medicine, New Haven, CT, USA.
(2)Liaquat National Hospital, Karachi, Pakistan.
J Ayub Med Coll Abbottabad. 2023 Apr-Jun;35(2):320-323. doi: 10.55519/JAMC-02-10055.
ウィリアムズ症候群は多系統疾患であり、出生1万人に1人の割合で発症し、循環器系症状としては大動脈弁上狭窄症がもっとも多い。2.5歳の女児で、右側脳卒中歴と左半身まひおよび認知機能遅滞を有するウィリアムズ症候群の症例を報告する。心エコーを実施した結果、圧較差105mmHgに達する重度の大動脈弁狭窄症が判明した。洞上行大動脈移行部の直径は4oであった。CT血管造影を行い、上行大動脈に血管腔内血栓を伴うびまん性狭窄がみられた。手術では、自己心膜パッチを用いて上行大動脈が拡張され、近位と遠位の大動脈の端部を吻合することで再建術を完了した。患者は安定した状態で退院した。術後6週間に胸骨損傷部を通じた拍動性偽動脈瘤で来院した。真菌性疣贅の除去と上行大動脈の再建を行う緊急手術が実行された。患児は一週間後に真菌性敗血症で死亡した。
(2023年7月)
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