心電図はウィリアムズ症候群および冠動脈狭窄を伴う非症候性エラスチン動脈障害患者の心筋虚血を検出しない
ECGs Do Not Detect Myocardial Ischemia in Patients with Williams Syndrome and Non-Syndromic Elastin Arteriopathy with Coronary Artery Stenosis.
Algaze C(1), Chubb H(2), Deitch AM(2), Collins RT 2nd(3).
Author information:
(1)Division of Pediatric Cardiology, Lucile Packard Children's Hospital, Stanford University, Palo Alto, CA. Electronic address: calgaze@stanford.edu.
(2)Division of Pediatric Cardiology, Lucile Packard Children's Hospital, Stanford University, Palo Alto, CA.
(3)Division of Cardiology, Department of Pediatrics, University of Kentucky College of Medicine, Lexington, KY.
Am J Cardiol. 2023 Nov 12:S0002-9149(23)01314-0. doi: 10.1016/j.amjcard.2023.11.020. Online ahead of print.
冠動脈狭窄症(CAS)は、ウィリアムズ症候群(WS)患者の最大27%が罹患している可能性があり、心筋虚血につながる恐れがある。ウィリアムズ患者は心臓突然死のリスクが25〜100倍高くなり、しばしば麻酔に関連する。冠動脈狭窄症の評価には全身麻酔下での画像検査または術中評価のいずれかが必要であり、後者が黄金律と見なされている。我々の研究は冠動脈狭窄症を有すると認められたWSまたは非症候性エラスチン動脈症の患者の心筋虚血の心電図(ECG)マーカーを特定することを目的である。2006年1月1日から2021年4月30日の間に大動脈弁上狭窄症の(SVAS)手術と冠動脈狭窄症の評価を受けたウィリアムズ症候群あるいはエラスチン動脈症の患者を遡及的にレビューした。小児電気生理学者は患者の冠動脈狭窄症の状態を知らされないまま虚血のマーカーを調べるために術前の心電図を確認した。 ウィルコクソン順位和検定法とフィッシャー直接検定法を用いて研究対象パラメータの関連性を評価した。34人の患者のうち62%が男性で、年齢中央値は20か月であった[IQR:8、34]。冠動脈狭窄症は62%(21/34)に存在し、そのうち76%(16/21)が男性であった。冠動脈狭窄症患者において心筋虚血の心電図指標は無い。結論として、冠動脈狭窄症は大動脈弁上狭窄症の修復を受けたウィリアムズ症候群あるいはエラスチン動脈症の小児の半数以上に存在した。ウィリアムズ症候群あるいは非症候性エラスチン動脈症における冠動脈狭窄症は、心電図で検出可能な典型的な心筋虚血を呈することはないようである。心電図はウィリアムズ症候群あるいはエラスチン動脈障害における冠動脈狭窄症の有用なスクリーニングツールではない。麻酔関連の心停止リスクが高いことを考えると、冠動脈狭窄症を検知する他の非侵襲的指標が必要である。
(2023年11月)
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