先天性心疾患を有するウィリアムズ症候群患者の大動脈血管内の血行動態流の数値的研究



Numerical study of hemodynamic flow in the aortic vessel of Williams syndrome patient with congenital heart disease.

Jack JT(1), Jensen M(2), Collins RT(3), Chan FP(4), Millett PC(5).
Author information:
(1)University of Arkansas, Department of Mechanical Engineering, Fayetteville, AR, USA.
(2)University of Arkansas, Department of Biomedical Engineering, Fayetteville, AR, USA; University of Arkansas for Medical Sciences, Department of Surgery, Little Rock, AR, USA.
(3)University of Kentucky, Department of Pediatrics, Division of Cardiology, Lexington, KY, USA.
(4)Stanford University, Department of Radiology/Cardiovascular Imaging, Palo Alto, CA, USA.
(5)University of Arkansas, Department of Mechanical Engineering, Fayetteville, AR, USA. Electronic address: pmillett@uark.edu.
J Biomech. 2024 May;168:112124. doi: 10.1016/j.jbiomech.2024.112124. Epub 2024 Apr 29.

ウィリアムズ症候群は大動脈弁上狭窄症(SVAS)などの先天性動脈狭窄症の発症が多く、他の動脈障害は重大な健康リスクをもたらす。臨床所見や血圧勾配の推定などの従来の重症度評価用のツールは、一過性の生理学的変化や疾患ステージの影響を受けやすいため、不十分なことが多い。さらに、小児集団を対象にした場合、これらおよびその他の先天性心疾患の重症度により、重要な生理学的データを取得するための侵襲的技術の適用が制限されることが多い。逆に、先天性心疾患とその進行を評価するには、心臓内血流を包括的に理解する必要がある。血液スペックル画像法や4次元MRIなどの現在の画像診断法は、血流データの解析、特に流速計測の場合に制限がある。これらの課題に対処するために、我々は、ゼロ次元集中パラメータモデルと、術前および術後の介入で再構成された患者固有の形状を組み合わせて、数値流体力学シミュレーションを実行する計算フレームワークを考案した。このフレームワークは、複雑な血流パターンの分析と可視化を容易にし、心機能に影響を与える幾何学的形状と流体ダイナミクスの変化に関する洞察を提供する。本研究は、ウィリアムズ症候群患者の重度の大動脈疾患を矯正する外科的介入の有効性を評価することを目的としており、壁面せん断応力、最大流速の大きさ、圧力低下を軽快させ、最終的には心臓の負荷の軽減につながる。

【訳者注】
血液スペックル画像法:局所心筋運動を追跡する心エコー法

(2024年5月)



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