乳幼児における心筋梗塞の予期せぬ非定型臨床症状:進行性および致死性疾患の複雑な病因
Unexpected and atypical clinical presentation of myocardial infarction in infants and children: complex pathogenesis of progressive and lethal disease.
Matoq A(1)(2), Patel G(1), 津田 武(1).
Author information:
(1)Nemours Cardiac Center, Nemours Children's Health Delaware, Wilmington, DE, USA.
(2)The Heart Institute, Cincinnati Children's Hospital, Cincinnati, OH, USA.
Cardiol Young. 2024 Oct 8:1-8. doi: 10.1017/S1047951124026271. Online ahead of print.
背景:心筋梗塞は子どもでは稀だが、予期せず非定型の症状で発生することが多い。迅速に治療を開始しない限り、進行性の致死的な経過を引き起こす可能性がある。
手法:虚血性心筋障害および症候性心室機能障害の存在によって診断された心筋梗塞の小児症例を遡及的にレビューした。
結果:心筋梗塞の患者18人(生後5日から14歳、中央値3か月)が研究された。病因はさまざまで、先天性冠動脈異常が含まれていた:肺動脈から左冠動脈の異常(患者5人)、右心室依存性冠循環を伴う無傷の心室中隔を伴う肺閉鎖症(4人)、左冠動脈の大動脈起源の異常(3人)、および大動脈弁上狭窄を伴うウィリアムズ症候群(1人)。左冠動脈の完全血栓性閉塞を伴う未診断の川崎病の患者と移植後の心臓同種移植片微小血管障害の患者で後天性冠動脈異常2例が発生した。3人の患者が正常な冠状動脈の解剖学的構造で血栓塞栓性冠動脈インシデントを発症した。14人の患者は1歳未満(78%)だった。心電図の異常はすべての患者で認められた。4人の患者は、重度の心室機能障害のために体外式膜型人工肺治療のサポートを必要としたが、生存者はいなかった。5人の患者が心臓移植を受けた。同じ入院中に5人の患者が死亡し、1人の患者が退院後に死亡した(全体の死亡率は33%)。移植しない場合の生存率は39%だった。
結論:ほとんどの心筋梗塞は、乳児に発生し、非特異的な臨床症状が突然発症し、血行動態が徐々に悪化して、移植しない場合の生存率が低下した。壊滅的な結果を防ぐためには、早期の診断と治療が不可欠である。
(2024年10月)
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