バルーン肺動脈形成術後にガイドワイヤーが抜去できず断裂したWilliams症候群の小児例
三木 康暢、田中 敏克、久保 慎吾
兵庫県立こども病院 循環器内科
Journal of JPIC 9 (1), 5-8, 2024-12-20
日本Pediatric Interventional Cardiology学会
症例はWilliams症候群,大動脈弁上狭窄,末梢性肺動脈狭窄の11か月女児。大動脈弁上拡大術,冠動脈入口部形成術,肺動脈形成術を施行したが,右室圧高値のため体外式膜型人工肺下で手術を終了した。術後8日目バルーン肺動脈形成術(Balloon pulmonary angioplasty; 以下BPA)を行った。左右肺動脈5病変に対してBPAを行った。いずれも0.014インチAguru(TM)ガイドワイヤー,3?mmバルーンを用いた。6病変目としての右上肺動脈の径1?mmのびまん性狭窄に対して同システムでBPAを行った。施行後ガイドワイヤーが抜去できず,引き抜くとアンラベルした。ピッグテイル,スネアカテーテルを用いたが,アンラベル箇所が切断された。外科的抜去を施行したが全抜去は困難であった。肺動脈のびまん性狭窄病変ではガイドワイヤーの抜去困難が起こりうる。金属疲労のあるガイドワイヤーは断裂の可能性を念頭に置く。
(2025年1月)
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