ウィリアムズ症候群における大動脈上部狭窄に併発した難治性感染性心内膜炎



Intractable infective endocarditis associated with supraaortic stenosis in Williams syndrome: a case report

Maruyoshi H, 中谷 S, 安村 Y, 中嶋 H, 庭屋 K, Sasako Y, Ando M, 宮武 K, 山岸 M.
Divisions of Cardiology, 国立循環器病センター, 大阪.
J Cardiol 2002 Jul;40(1):25-30

ウィリアムズ症候群に合併する大動脈弁上狭窄を持つ17歳の男性患者が難治性感染性心内膜炎の集中治療のために当院に入院した。この患者は1992年に動脈狭窄を治療するために経皮的バルーン弁形成術を受けた。1999年後半まで病状は良好であったが、歯科治療を受けた後高熱を発した。感染性心内膜炎と診断され、抗生物質による治療を受けたが効果が無かった。当院を紹介された。経胸的心エコーの結果、ニ尖大動脈弁・大動脈上部狭窄・重度の逆流を呈する僧帽弁逸脱・僧帽弁及び大動脈弁前方の散在的増殖が見られた。さらに、経食道的心エコーの結果バルサルバ洞から下行大動脈にかけて無数の可動的増殖が見られた。大動脈基部と大動脈弓は同種動物間移植片を用いて、僧帽弁は人工弁を用いて成功裏に整復し感染性心内膜炎は完治した。今のところ、大動脈上部狭窄部を流れる急激な血流が重篤な心内膜炎の原因だと思われる。

(2002年8月)



目次に戻る